2015-02-27

上方落語協会会館/安藤忠雄

平成24年(2012)3月、上方の落語家たちの本拠地となる上方落語協会会館が、天満天神繁昌亭(落語定席)に次いで大阪天満宮のすぐ近くに竣工した。
大阪出身の建築家、安藤忠雄が無償で設計を請け負ったこの作品は、打放しコンクリートのファサード上部に大きな三角窓と天窓を採用し、自然光を取り入れたデザインと入口の三角形がほぼ上下対称に配置されている点、そして上方落語の「上」の字を表すスリットに大きな特徴がある。

親交の深い桂三枝(現・桂文枝)会長から依頼を受けた安藤忠雄は、「文化的に大きな意味を持つもの。お金を取ったのでは格好がつかない。」と設計料無料で快諾したといわれている。
完成式で桂三枝(現・桂文枝)会長は、「こんな素晴らしい大きなものができたのも先輩、師匠方のお陰です。」と述べ、設計した安藤は、「大阪を元気にしたいので、少しお手伝いができればと思いました。」と語っていた。


大阪市北区天満4-12-7
設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所
竣工:平成24年(2012)
施工:まこと建設
構造:RC造、地上3階

前回は安藤忠雄の初期の名作「住吉の長屋」、今回は比較的新しい「上方落語協会会館」について述べた。


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