その演目は「一谷嫩軍記」、遣う役は「熊谷次郎直実」である。
初代玉男が磨きをかけ得意とした役を二代目玉男が大阪の本公演では初めて遣うこととなった。
今の文楽三業(太夫・三味線・人形遣い)の中で最も層が厚く、充実しているのは人形遣いではないだろうか。
蓑助と文雀の休演が相次ぐ中、玉女と同期の桐竹勘十郎と吉田和男、持ち味は違えども芸に脂がのりきった三人が今後の文楽を牽引していきそうだ。
今後は師匠がどんな役でも醸し出していた色気を出せるよう、また少しでも幅広い役を手掛け、これまで経験のある役であっても、新しい玉男の舞台は変わったねとお客様に言っていただけるよう、精一杯力を尽くしたいと思います。私も60を過ぎましたが、これからが勝負だと考えていますので、どうぞ宜しくお願いいたします。」
大阪・国立文楽劇場の鏡開きの挨拶に立った玉女は、そう語っていた。
4月大阪、5月東京文楽公演は見逃せない。
主遣い初代吉田玉男と左を遣う二代目吉田玉男。
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