2015-04-23

卅三間堂棟由来

大阪・国立文楽劇場の4月文楽公演で上演された「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」は文楽ファンなら一度は観る価値のある外題(演目)だろう。
当座の観劇ガイドとするために、最も簡潔かつ適確に纏められている日本芸術文化振興会発行の本公演のパンフレットから写した。

卅三間堂棟由来
後白河法皇と霊場熊野との関係を解く三十三間堂の縁起と念仏行者平太郎の熊野参詣説話を融合した「祇園女御九重錦」から、輪廻転生した夫婦の因縁と家族の別れに絞った部分をご覧いただきます。

平太郎住家より木遣り音頭の段

進ノ蔵人の訪問は、法皇の病平癒のために建立する三十三間堂の棟木にするため、柳の大木を伐り出す途中のことで、お柳の心を動揺させます。
夢うつつの平太郎に、お柳は自分の正体を、平太郎が前世で梛(なぎ)の木であった時連れ添った柳の精と明かします。夫婦親子の恩愛を訴える平太郎の声に、一度は姿を消したお柳は再び姿を現し、出世の種となる法皇の前世の髑髏を託します。平太郎とみどり丸親子が、お柳との別れを惜しむ木遣り音頭の部分は、義太夫節の名曲のひとつです。

-平成27年「4月文楽公演」パンフレットより


人形浄瑠璃文楽 平成27年4月文楽公演

第1部(午前11時開演)
靭猿(うつぼざる)
吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露 口上
襲名披露狂言
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)‐熊谷桜の段/熊谷陣屋の段
卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)‐平太郎住家より木遣り音頭の段

第2部(午後4時開演)
絵本太功記(えほんたいこうき)-夕顔棚の段/尼ヶ崎の段
天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ)-紙屋内の段
伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)‐火の見櫓の段

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